「百聞は一見に如かず」という言葉があります。
「百」話して聞かせるよりも、「ひと目」見た方がずっとわかりやすい、そんなことはままありますね。
授業の現場では、まさにこれがピタリとあてはまるシーンがよくあります。
いろんなものを見聞きしてきた私たち大人が、まだ知識や経験に乏しい子供達に何かを伝えようとするとき、言葉だけではイメージできないことはたくさんあります。
言葉はそれが「何」を表しているのかを「体感・経験・実感」しなければ、ただの記号の羅列にしか映りません。
海を知らない人にいくらその雄大さを語っても、実体験にまさる伝わり方はしないでしょう。
本当の教育とはきっと、色々なものごとを「経験」させることに尽きるのかもしれません。
話して聞かせるばかりではなく、実際に見て、触れて、聞いて、感じ取り、五官を通じて心に触れたものは、忘れることがありません。
24時間の机上の勉強より、たった1日の旅行がずっと大きな刺激や感動、関心や知識欲を与えてくれることだってありますね。
型にはまった「勉強」の強制ばかりでなく、どうしたら子供達が興味をもってくれるか、もっと知りたいと思ってくれるかを、我々のような「学びのプロデューサー」が考えて形にしていかなければ、実のある学びは実現できないでしょう。
と、前置きが長くなってしまいましたが…
青木先生の中3国語の授業です。入試問題の解説をしています。
高性能のプロジェクタで、従来のホワイトボードに照射するだけで、多機能な電子黒板に早変わり。
ホワイトボード全体が大きなタブレットになったかのように扱えます。
動作も軽快、なんでもっと早く入れなかったんだろう…と思うほど、強力なツールです。
何行目のどこに重要語句があるのか、どの文節がどの文節に係るのか…など、先生が問題を解いていく手順が一目瞭然です。
最大で90インチのサイズまで拡大できます。
解像度も高いので、後ろの席からでも視認性がいいですね。
生徒たちにもわかりやすいと大好評。みんな実にイイ表情…してるんですが、ボカシが入っちゃうのが残念です(笑)。
私も以前から教室設置のテレビモニターを使って、社会の資料画像などを見せていたのですが、これがあればもう鬼に金棒です。
やはり何でも目で見ると話が早いし、生徒たちの反応も違いますね。
私も授業をしていて楽しいです。
私も授業をしていて楽しいです。
たとえば…
日本最南端の島、「沖ノ鳥島」。
波に浸食され、水没の危機に瀕し、コンクリートで護岸工事を施された孤島です。
そこで、まずは沖ノ鳥島を見てみます。

立派な島に見えますが…実はこれは護岸工事によって人工的に付け足されたコンクリートがほとんど。
そこで、まずは沖ノ鳥島を見てみます。

立派な島に見えますが…実はこれは護岸工事によって人工的に付け足されたコンクリートがほとんど。
もともと島を構成していた部分は、この中央の穴の中にあります。
これです。ソファくらいの大きさしかありません。
沖ノ鳥島には辛うじて水没を免れていた突起部が2ヶ所あり、それぞれ北小島・東小島と呼ばれています。
沖ノ鳥島には辛うじて水没を免れていた突起部が2ヶ所あり、それぞれ北小島・東小島と呼ばれています。
2つ合わせても6畳ほどの大きさしかありません。
島の構造はこのようになっており、海底火山に珊瑚礁が積み重なって形成された頑丈なつくりです。
海底からは4000mもあるのに、ぎりぎり海面に届くかどうか。
海底からは4000mもあるのに、ぎりぎり海面に届くかどうか。
海面から出ていないだけで、足場になるようなスペースは広々とあります。
ちなみに、護岸工事前はこんな感じだったのです。

この島がなくなってしまうと、半径200海里の排他的経済水域(水産資源・地下資源が独占できます)が消えてしまいます。
200海里≒370kmですから、面積にするとおよそ40万平方キロ。
200海里≒370kmですから、面積にするとおよそ40万平方キロ。
日本の領土面積が38万平方キロですから、どんなに大きいかわかりますね。
ちなみに、Miraizを中心に、半径370kmの円を描くとこんな感じになります。
これを見ると、みすみす消失を許してしまうよりは、工事で何とか…という気持ちもわかるような気もしますね。
特に海底資源の存在が確認されてからは、政府も必死です。
1000億円もの工事費をかけて何とか守ろうとしています。
特に海底資源の存在が確認されてからは、政府も必死です。
1000億円もの工事費をかけて何とか守ろうとしています。
この「沖ノ鳥島」、中国など外国の一部は「島」ではなく「岩」だとして、経済水域の無効化を主張しています。
「島」の定義は?というと、国際海洋法条約に「人間が居住できること」とあります。
うーん……これはキビシイ…。
何とか住むしかないですかねえ…。
一応、郵便番号もあるんですよ。「100-2100」東京都です。
いかがでしょう?
このように画像を見ながらだと、鮮やかにイメージが残りませんか?
他にも社会科には、インパクト抜群の画像がたくさんあります。
平安時代末期に浄土教を布教した空也像とか…
平安時代末期に浄土教を布教した空也像とか…
鎌倉時代に臨済宗を開き、日本に喫茶の習慣を持ち込んだことでも知られる栄西像とか…
大画面で一度見てしまったら、もはや忘れられない衝撃です。
いずれも、教室では生徒たちの人気者です(笑)。
いずれも、教室では生徒たちの人気者です(笑)。
まだまだこれから教科書の合間に埋もれた「本当は面白い」あれこれを発掘して、生徒たちに届けたいと思います。
さあこの新兵器「電子黒板」、いまは試験的に一部の授業で導入し始めたばかりですが、来年度は各クラスに拡げて大いに活用していきますよ。
Miraizの学びは明るい学び。
むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく。
むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく。
もっともっと、生徒たちと楽しく学べる工夫を重ねて、教室を盛り上げていきたいですね。