千葉私立各校の出願状況が判明してきました。
14日午後5時時点ということで、まだ締切前の学校もあり、途中集計値になっています。
出願者数と募集定員を見ると名目上は凄まじい倍率になりますが、ほとんどの学校では併願状況を考慮して(合格しても入学しない層を計算して)、定員よりもかなり多く合格者を出します。
さて、初日の17日は、[市川・日大習志野・専修大松戸・国府台女子・麗澤・千葉日大一・東海大浦安・東京学館浦安]などの各校で入試が行われます(2回実施の学校も含みます)。
Miraizからも例年受験の多い、主な学校の出願状況は下記の通りです。
ホームページで確定数が公表されている学校は、学校名にリンクを張りました。
その他の学校は千葉県の調査による途中集計値です。
(▲:前年度より増加/▽:前年度より減少)
また、参考までに昨年の実合格者数(募集定員とは異なります)を併記しました。
ただし、あくまでも昨年の数字ですので、昨年同様に合格者を多く出すかどうかは学校の判断によります。
★ 市川
定員:一般85名 単願35名(昨年は前期一般55名+単願35名/後期30名)
志願者数:1085名(▽昨年1207名)
[参考]昨年度一般合格者数:522名/1014名中 実質倍率1.94倍
市川は1/14が願書受付の締切日ですから、確定値と見ていいでしょう。
2018年から5科目入試を導入、さらに今年からは日程も前期に一本化されました。
一般入試での志願者数を見ますと、
2016年 1039名(3科目)
2017年 991名(5科目)
2018年 1133名(5科目)
2019年 1207名(5科目)
2020年 1085名(5科目・前期一本化)
と推移しています。
一本化元年の今年は後期の分の定員も上乗せされるので、当然志願者は増えるものと思っていましたが、フタを開けてみれば122名の減です。
一昨年は2.06倍、昨年は1.94倍と倍率も高くありませんから人気を集めるかと思ったのですが…。
一昨年の前期+後期の合計合格者数は536名、昨年が572名です。
今年も同様に合格者を出すとして、仮に間を取って554名なら、倍率は志願者に対して1.96倍と昨年並みになりますから、このクラスの学校としては狙い目だったと言えます。
5科目入試ということで敬遠されることもあるかもしれませんが、しかしこのレベルの学校の志願者からすれば、理社があるというだけで断念するような層はそもそも問題にならないでしょう。
中学入試を通った内部進学生との理社の学力差が大きいということで導入された5科目入試ですが、「冷やかしお断り」のような効果もあるのかもしれません。
定員:前期A180名・B170名 / 後期20名
前期A(単願)志願者数: 192名(▲昨年 155名)
前期B(一般)志願者数:1634名(▲昨年1502名)
[参考]
昨年度前期A合格者数: 152名/ 155名中 実質倍率1.02倍
昨年度前期B合格者数:1186名/1496名中 実質倍率1.26倍
日大習志野は一昨年まで2年続けて志願者が増え、倍率も1.8倍超まで上がっていましたが、日大の不祥事が話題になった昨年は一般だけで300名以上の減となりました(日大習志野高校には何の非もないはずですが…)。
昨年は一般入試も空前の低倍率、単願A入試に至ってはまさかの定員割れと、受験生にとってはラッキーな年でした。
注目の今年は1634名と数字を戻しましたが、それでも元の水準(例年1700〜1800名程度でした)には届いていません。
さて昨年は志願者減にもかかわらず、1186名と前年よりも200名近く合格者を多く出しました。
ただ逆風下で入学者数減を見込んでの保険という意味もあるでしょうから、今年も同じくらい…とは期待できないかもしれません。
ただ過去をふり返ると、2016年の志願者数が1697名で、1131名の合格者を出しています。
今年も同様の合格者を出すとして1100名で計算すれば、倍率はおよそ1.49倍となります。
とすれば日大習志野としては低めの倍率ですから、今年もチャンスの年となりそうですね。
日大習志野は例年1.5〜1.8倍程度の穏やかな倍率に落ち着いていますが、
倍率が2倍を切る入試では、受験生の中で「平均点」をとれれば余裕で合格できます。
(平均点=倍率2倍のときの合格最低点、ですからね)
出題は難しめですが、落ち着いてとれる問題をとり切るようにしましょう。
★ 専修大松戸
定員:前期236名(特待含む)/ 後期20名
前期志願者数(E/A合計):2467名(昨年▽2792名)
[参考]昨年度合計合格者数:909名/2659名(2.93倍)
=複数受験者の重複を含む
昨年度前期E類合格者数:363名/1044名中 …名目倍率2.16倍
ほかにA類へのスライド合格55名
昨年度前期A類合格者数:546名/1615名中 …名目倍率2.96倍
今年はなぜか志願者を325名も減らしています。
進路指導に手厚く、野球・サッカーなどの強豪校でもあり、文武両道の学校として人気の学校なのですが…。
この学校は「1回受験」「2回受験」「両日とも受験」「A類へのスライド合格」などの重複がありますが、
ここで紹介している昨年の「実質倍率」は高校の説明会で発表された重複抜きの純粋な実数です。
名目上は高く見えますが、重複を除いた純粋な倍率は例年1.6〜1.8倍程度と2倍を切っており、日大習志野とほぼ同程度です。
定員:64名(第一志望含む)
志願者数:1249名 (昨年前期1353名:▽112名)
[参考]昨年度合格者数:585名/1353名中 実質倍率2.31倍
昭和秀英も市川同様、今年から前期日程に一本化し、定員も後期枠の20名が乗りました。
しかしここもまた100名ほど志願者を減らしています。
過去7年の合格者の推移を見ると、
→ 522名/2.15倍(2013)
→ 516名/2.26倍(2014)
→ 445名/2.74倍(2015)
→ 463名/2.64倍(2016)
→ 599名/2.24倍(2017)※東邦大東邦の高校募集停止
→ 586名/2.37倍(2018)
→ 585名/2.31倍(2019)
と一時期の高倍率を過ぎ、ここ3年は2倍台の前半で落ち着いていることがわかります。
昨年「臨時定員増」が終了し、定員が半減となっても志願者数は減らず、合格者数も維持されました。
定員が1.5倍に増えたにもかかわらず志願者を減らした今年はどうするのでしょうか。
昨年後期で82名が合格していますが、前年並みの合格者数にその分も増やすとなると660名、となると倍率2倍割れもあり得る数字です。
おそらくはそこまで甘くなることはないと思いますが…。
定員:120名
志願者数:@535名(▲昨年526名)A677名(▲昨年645名)
[参考]昨年度名目合格者数:454名/1136名中
倍率2.50倍 ※重複含む
GSは80名、GLは374名の合格
芝浦工大柏も5科目(選択)入試があり、2017年から前期日程に一本化されています。
同年の受験者数は961名でしたが、年々志願者を増やし、今年も1212名とさらに人気が高まっています。
こちらも複数コース・複数回入試で受験生の重複を含みますので、倍率は参考程度にご覧ください。
定員:前期のみ募集 S特進(叡智スーパー特進)30名/特選(叡智特選)70名
志願者実数合計:289名(▽昨年457名)
《S特進》実志願者数 99名(▽昨年139名:重複含まず)
《特選》 実志願者数 190名(▽昨年318名:重複含まず)
[参考]昨年度合格者数
《S特進》定員30名
合格者:100名/実受験者:138名 実質倍率:1.38倍
《特選》定員70名
合格者:157名/実受験者:243名 実質倍率:1.56倍
一昨年から装い新たに「叡智」を冠する2つのコースに再編しています。
ここは出題は難しめですが、その分合格最低点は50%台と低めです。
麗澤や芝浦工大柏は、例年ホームページで出願者数や受験倍率などを類型ごとに細かく発表してくれますのでありがたいです。
情報公開に積極的な学校は信頼感がありますね。
S特進では5科目が敬遠されてか、志願者数をかなり減らしています。
広大な敷地と充実した大食堂のある、素敵な学校なのでもっと人気があっていいと思うのですが…。
今年は日大習志野や芝浦工大柏を除き、私立が軒並み志願者数を減らしていますね。
昨年10月の台風の被害に配慮する学校などもありますが、私立併願校を減らすなどして多少影響しているのかもしれません。
また合格発表がありましたら今年度の動向をまとめたいと思います。