主な(Miraizのある浦安地域から志願者数が多い)ところを採り上げてみましょう。
また昨年度の「前期出願者数」を「前・後期を合わせた定員」で割った、「もし昨年も入試が1回だったら」という倍率と比較してみましょう。
※ 今年度志願倍率 (昨年前後期の定員合計/昨年前期志願者数:昨年度実質倍率)
県千葉: 1.57倍 (240/428:1.78倍)
千葉東: 1.35倍 (320/518:1.62倍)
市立稲毛(国際教養):1.03倍 (40/61:1.53倍)
幕張総合:1.50倍 (680/1093:1.61倍)
千葉西: 1.23倍 (320/371:1.16倍)
検見川: 1.36倍 (320/482:1.51倍)
磯辺: 1.24倍 (320/352:1.10倍)
県船橋: 1.88倍 (320/650:2.03倍)
薬園台: 1.25倍 (280/342:1.22倍)
船橋東: 1.28倍 (320/461:1.44)
八千代: 1.51倍 (280/405:1.45)
小金(総合):1.55倍 (320/535:1.78)
国府台: 1.41倍 (320/370:1.16)
津田沼: 1.63倍 (320/591:1.85)
国分: 1.10倍 (320/374:1.17)
松戸国際:1.42倍 (240/338:1.41)
(国際教養):1.43倍 (120/208:1.73)
市川東: 1.27倍 (360/531:1.42)
東葛飾: 1.90倍 (240/433:1.80)
まず、予想されたことではあるものの、2倍を超える学校がないというのには、さすがに隔世の感を覚えます。
私も18年間千葉公立入試のデータを追いかけてきましたが、前後期制の下では、いわゆる「公立御三家(県千葉・県船橋・東葛飾)」では3倍を超えることもザラにありました。
いままで、いったい何のためにわざわざ定員を前後期に分けて、前期で無意味な不合格を多数出していたのかなと思います。
県千葉や東葛飾は付属の中学校がありますので、募集定員が同規模の学校より80名少なく、元々狭き門であるがゆえになおさらです。
一本勝負であれば合格できた子も、前期で不合格となって自信を喪い…というケースもあったでしょう。
過ぎたことをとやかく言っても仕方ありませんが、とにもかくにも一本化で公立高入試らしい倍率に落ち着いたことは歓迎したいと思います。
それにしても、やはり入試が1回しかないというプレッシャーは、安全策に傾かせるものなのでしょうか。
県千葉・県船橋で50名前後、千葉東に至っては86名も志願者を減らしています。
千葉東は一昨年の612名から見ると180名の減です。敬遠というだけでは説明がつかない気もします。
「学力重視の総合学科」を謳う小金は6年目となる今年、志願者は40名減り、久しぶりに500名を割りました。
同じ学区3番手校とされる八千代は1.51倍、船橋東は1.28倍と人気に差が出ました。「内申点2倍」が敬遠されているのでしょうか。
学区2番手校とされる薬園台も人気に陰りが見えており、今年の倍率はここ数年で最も低い1.25倍と、このレベルの学校としてはちょっと心配になるような数字になっています。
学校の評判などには言及できませんが、3番手校よりも低倍率なのが常態化していますから、ちょっと気になるところです。
県内2番手高とされる薬園台の倍率緩和と、3番手高から学力重視の総合学科になった小金高の人気上昇。
この2校の2020年春の現役生の大学合格実績を見てみましょう。
※( )内は2019年/数字は両校のホームページより/学校名はリンクしています)。
早稲田37(39) 慶応8(4) 上智12(7) 東京理科大12(23) 早慶上理合計:69名(73)
明治68(69) 青山29(19) 立教53(37) 中央17(12) 法政55(54) MARCH合計:222名(191)
早稲田13(7) 慶応6(3) 上智13(10) 東京理科大19(13) 早慶上理合計:51名(33)
明治50(41) 青山19(17) 立教40(43) 中央20(14) 法政49(47) MARCH合計:178名(162)
大学ごとの相性もありますし、単純な比較・評価は難しいですが、いかがでしょうか。
都内の大学は国から「定員厳守」を命じられており、大学によってはここ3年の間で数千人単位で合格者が減るなど、かつてよりもずっと受かりにくくなっています。その影響は学区内2番手・3番手と呼ばれるような高校でも顕著です。
ざっと見たところ、総数では薬園台に軍配が上がりますが、なかなかイイ勝負です。
ここ数年の小金高校の躍進ぶりは明らかで、「2番手高」の座を薬園台と分け合うのも時間の問題と見て良いのではないでしょうか。
もっとも「〜番手」なんて、あくまで便宜上の勝手な呼称ですので、明確な定義はありませんし、学校自体の評価・価値とは何ら関係ありませんが、どういった学力層が集い、人気(倍率)や合格の難易度に影響するかという視点では確かな変化があったと言えるでしょう。
津田沼は昨年志願者が143名増えて591名、1.3倍に増えました。
新制服などで人気が上がりそうだと聞いてはいましたが、そこに定員減(40名)が加わって、まさかの前期3倍超えでした。
受験生もこれはさすがに予想しなかったでしょう。今年は極端な人気でもありませんが、比較的やや高めに出ています。
このあと17日に「志願変更」がありますが、どれも2倍を切っている(=受験生の平均点をとれば合格できる)ような志願状況で、わずかな倍率の差を気にして右往左往しても仕方ないでしょう。ここまで来たらやりきるのみです。
なかなか得点が伸びずに焦る人もいるでしょうが、まだここからでもできることはあります。
また、連日の長時間の勉強で疲れもたまってくる時期でもありますし、また私立の合格で気が緩み、勉強がだれる人もいます。
いま一度気を引き締め直しましょう。
決して、極端な勉強法に偏らないようにしてください。
この時期、よく見られる「ダメな兆候」としては…
・何かともっともらしい理由をつけては塾の授業を休む
・「自分の志望校の勉強に専念する」として、自分のやりたい勉強に偏る
(「やりたい勉強」と「やらねばならない勉強」は違います!)
・志望校の過去問ばかりにこだわって、基礎基本を怠る
・記述問題を自己採点して、甘くつけてしまう
・好きな教科の好きな単元ばかり勉強する
・漢字・計算・作文・作図・リスニングなど「地味で面倒な勉強」には手をつけない
・「何とかなるだろう」と高をくくる
・睡眠時間を削って勉強した気になり、日中のパフォーマンスが下がる
でしょうか。
ずっと勉強しているウチに、どこか尊大になってしまう人がいます。
身勝手な理屈で自分を正当化することばかりに長けていく人がいます。
しかしそれは思い上がりというものです。
本当に優秀な人、結果を出せる人というのはとことん謙虚で慎重なものです。
何より、皆さんは高校入試は初めての体験でしょう。
塾の先生はそれを毎年多面的に分析している指導のプロです。
プロの助言に耳を貸さず、独りよがりな方法論にこだわっているようでは、効果的な学習は望めないでしょう。
わかりやすく自分の志望校の過去問だけに集中特化した授業を望み、それ以外のものには目をつぶったり背を背けたりして、基礎・基本をおろそかにするなど、自分の首を絞めることになりかねません。
よほどの難関校でもない限り、素人が思い込んでいるほど、入試問題や受験勉強に大きな違いはありません。
何度も言うように「だけ・しか」勉強は効率が良いように見えて、自分の好きな勉強に偏り、スキをたくさん生みます。
焦らず、慌てず、まんべんなく、きっちりと、丁寧に勉強を重ねましょう。
倍率にも臆さず、弱気な自分に負けることなく、自分の目標を貫きましょう。
Miraizの先生たちはそんなあなたたちの味方です。
まだまだ頑張って行きますよ!