このあと、27日正午を〆切に、一度だけ「志願変更」の手続きが出来ます。
この倍率を見て、受験校を再考することができるわけですね。
ただ、多少の倍率の変化くらいで志望校をころころ変えるのは感心しません。
どれくらいの条件になったら変更を検討するのか、また変更するとしたらどこなのか、考えておく時間はたくさんあったはずです。
不安なのはみんな同じです。確証など誰にもありません。
よほど想定外の倍率でもなければ、ここまで来てジタバタするのはやめましょう。
先日も書きましたが、自分の最優先は「県立高校への進学」なのか、「目標校への挑戦」なのか、そこが明らかになっていればあまり迷うことはないはずです。
また、受験校が実力より上位の挑戦校である場合は、「そこが不合格だったときに進学する学校」への気持ちを整理しておきましょう。
自分の選択の結果として、そこへ進学することになっても、決して文句は言わない(言えない)という決意です。
それもなく、「○○高校なんて絶対行かない!第一志望落ちたら高校なんか行かない!」なんて口にしているようなら、受験校は下げるべきです。
理不尽な言い分に聞こえますか?
でももしそう思うなら、自分の姿を客観的に見てください。
保護者の方に我を通して希望の挑戦校を受験させてもらって、不合格に終わってしまった。
なのに、進むことになった高校に対して不満や文句を言うなんて、思い上がった態度だと思いませんか?
学費を払う保護者の方からすればやるせないことこの上ありません。
保護者は、あなた以上にあなたの「合格」を喜び、「不合格」を悲しむ存在です。
頑張っているあなたの姿を見てきたならなおさら、最後は「合格」で終わらせてあげたい、とも思うはずです。
とすれば、あなたに受験校を下げることを提案したとしても、それはあなたへの不信という意味ではありませんよね。
そんな保護者の思いも受け止めて、その上で自分の信念や希望を丁寧に述べましょう。
間違っても八つ当たり的に、だだっ子のように感情だけをぶつけてはいけません。
あなたが十二分に実力をつけ、前期で合格していれば、この迷いはなかったはずなのですから。
残酷な言い方になって申し訳ありませんが、事実に目を背けていては正しい判断などできません。
今後の人生で数々訪れる分かれ道においても大切な姿勢です。
あなたはチャンスをもらう立場として謙虚な姿勢でなければいけない。
そういう意味で、敢えてこんな厳しいことを言っています。
将来、社会に出たら、自分の思うようになることの方が珍しくなります。
ことを実現させるには、いくつもの壁と辛抱強く向き合い、乗り越えていかねばなりません。
保護者の方ひとり説得できないようでは、今後も苦労すること請け合いです。
相手が親だからと甘えて、簡単にキレてみせているようでは、挑戦者の資格などありません。
自分の将来のことを心配してくれるかけがえのない存在なのですから、誠意を持って相談しましょう。
さて、以下は参考程度に読んでおいてください。
あとはさっさと勉強に戻りましょう(試験開始まであと130時間ですよ!)。
さて、この進学研究会提供のデータのありがたいところは、昨年・一昨年の志望変更による倍率の変動を掲載してくれているところです。
もちろんこの通りに推移するとは限らないのですが、とても参考になります。
たとえば昨年の千葉女子高校は変更前の1.33倍から、変更後は1.37倍に上がりました。
ところがさらにその前年、平成30年度は2.05倍から変更後に1.89倍に下がっています。
このように「この学校は上がる・下がる」と思い込むのではなく、年ごとの動きを確認して今年の動きを読むことができるのです。
2倍を超えていると下がる学校が目立つように、どれくらいの倍率になると上がるのか、下がるのか、などを探るのに役立ちます。
とはいえ、やはり年度ごと学校ごとに傾向はバラバラですので、やはり参考程度に見るべき数値ですが…。
では、目立つところを少しチェックしてみましょう。
県千葉の倍率は昨年2倍を超えましたが、今年は1.81倍と県トップ校としては緩やかな倍率です。
もちろん受験者も県内最高レベルですから、1点差に何十人もがひしめくことでしょう。
倍率から受ける印象以上に厳しい入試が予想されます。
覚悟が要りますから志願変更で倍率がぐんと上がることも下がることもないでしょう。
県立船橋は2.41倍と、昨年よりやや厳しい倍率です。一昨年と同水準ですから、同程度にやや志願を減らすでしょう。
東葛飾は2.58倍と、与しやすかった昨年に比べグッと上がりました。
薬園台が1.56倍と難関校の中では最も低く、目を引きます。
ここは2番手校ですから、この倍率なら昨年同様に志願変更で増えるでしょう。
3番手校・船橋東も1.95倍、ここ3年で最も高くなっています。
薬園台が低倍率なので、船橋東への流入はあまりなく、志願変更後も動きはあまりないかもしれません。
八千代は1.81倍、小金も1.91倍と2倍を切っていますので、わずかに増えるか、増減相殺で動かないか、でしょうか。
小金は隔年現象が見えますが、すっかり人気校の仲間入りをした印象です。
前期で3倍超と人気を集めた津田沼ですが、後期も2倍を超えています。
第1・2学区で2倍を超えているのは船橋と津田沼だけですから、今年の人気の程がうかがえます。
さすがに後期で2倍超となると、敬遠・流出する層が少なからずありそうですが…。
あとは千葉西・国分あたりの倍率が例年より低いので、ここは流入がありそうです。
数年前に進学実績が評判になり、倍率が上がった市川東ですが、今年も安定的に人気を集めていますね。
幕張総合も2倍近い倍率となり、人気を回復した印象です。
このブログで、事前に昨年(志願変更後)のトレンドを当てはめて試算した予想倍率は下記のとおりでした。
県船橋(予想) :2.32倍 → 実倍率(変更前):2.41倍
千葉東(予想) :1.59倍 → 実倍率(変更前):1.80倍
薬園台(予想) :1.46倍 → 実倍率(変更前):1.56倍
小金(予想) :2.09倍 → 実倍率(変更前):1.91倍
船橋東(予想) :3.09倍 → 実倍率(変更前):1.95倍
幕張総合(予想):1.89倍 → 実倍率(変更前):1.96倍
昨年のトレンドに数値を入れただけの機械的な予想に過ぎませんが、県船橋・幕張総合は、ほぼ予測通りの動きです。
一方で千葉東や薬園台は予想よりも上がり、船橋東は予想よりかなり低く出ました。この位置の高校は動きが多く、読みにくいですね。
ただ、この数字だけでみると昨年より少しチャレンジ志向があるのかな?という印象ですね。
いずれにしても極端な倍率ではありませんから、後期には望みを棄てずにチャレンジするだけのチャンスがあると言えます。
蛇足ですが、あまり深い意味があるとも思えない、同じような共通問題での2回選抜、さらに受験から発表まで1週間も待たせて、定員の6割に届かなければ不合格をいったん突きつけて、後期入試までまた2週間近く引っ張る…という千葉県公立高の従来の入試制度は、受験生の気持ちを顧みない酷な制度であったな…とつくづく思います。
1回入試であれば合格できた生徒が、自信をなくして後期で志願を落とすということも多くあったでしょう。
ようやく、本当にようやく来年からの一本化が決まりましたが、それならそれですぐに変えればいいのに何をズルズルと…と思ってしまいます。
「内申点の調整」などという乱暴な制度は急に導入したのに、やめるとなると時間がかかるのはお役所の宿命でしょうか。
周囲が私立や公立前期で進学先がどんどん決まり、学校のクラスでも緩い空気が流れ出す中、それでも歯を食いしばって不安と戦い、自分の決めた目標に向かって頑張る、これは本当に大変なことです。
ましてや望む結果に恵まれずナーバスになっている受験生なら、周囲のちょっとした言動にも心を痛めているでしょう。
しかし、逆に言えばこれだけ追い込まれるような体験はそうそうありません。
辛い思いをしている分、自分自身の精神は鍛えられてもいるはずです。
以前、あるMiraiz生が、こんなことをポツリとこぼしていました。
「不合格がこんなに辛いとは思わなかった、入試がこんなに厳しいとは思ってなかった。前期に不合格になって、初めてその辛さが解った。こんな気持ちになるとわかってたら、前もってもっとたくさん学校を見て、真剣に検討して、準備にももっと力を入れていたのに…。自分はどこかで入試をなめていた」
とても素直な言葉だと思います。
悔しい思いを噛みしめながら、それでもこんな風に思えているなら、そこには成長があるはずです。
次の機会(大学受験や就職試験)ではきっとこの経験を活かすことができるでしょう。
それもまた、高校受験の大きな意義です。
さあ皆さん、過去の結果にうつむくことはありません。
先行きの見えない未来への不安に怯えているヒマはありません。
運やチャンスは、苦しい中でも、それでもやってみようと思う者にしか訪れないものなのです。
努力は100%の成功を保障してはくれませんが、成功した人は必ず努力を重ねています。
夢に近づくには運と努力と才能が必要ですが、我々にできることは地道な努力しかないのです。
いまはただ、自分を信じてやれるだけのことをやりましょう。
「やりきった!という事実だけが、最後に自分を支える」のです。
志願変更が終わったら、改めて確定した志願倍率をご紹介しようと思います。
ただ、くどいようですが、あくまでも気休めです。
やることに変わりはありません、最後まで気を緩めずに頑張りましょう。